上野愛咲美、女流名人連覇 藤沢里菜挑戦者を下す

上野愛咲美女流名人に藤沢里菜本因坊が挑戦する第37期女流名人戦第2局が、4月15日に日本棋院本院で打たれ、上野女流名人が勝って2連勝となり女流名人を防衛しました。

女流名人戦は4年連続で同じ組み合わせとなりました。藤沢女流本因坊は、なんと、9年連続挑戦手合い出場です。

日本の女子ツートップの戦いが続いているのです。

今期の女流名人戦は第1局が4月14日、そして第2局が15日と二日連続で対局が組まれていました。こういう場合、1局目に勝ったほうが勢いに乗るので断然有利になります。第1局は有利に進めていた藤沢女流本因坊に、上野女流名人が仕掛けに仕掛け、大逆転で勝利をつかみます。勢いそのまま、第2局も制する結果となりました。

藤沢女流本因坊「きのう、あっという間に終わってしまって。最終局が打てないのは残念です。内容的にも、後半に問題があったかなと。そのあたり改善していければと思います」

上野女流名人「終わったばかりで実感はありませんが、里菜先生相手に結果を出せたのは嬉しかったです。ヨセをだいぶ鍛えたので、昔より改善されたと思います。

(女流名人戦が休止となるので)ふだんのタイトル戦とは違う気持ちだった。何らかの形で女流名人戦が続くと思って、対局していました。いつか防衛戦が打てるのを楽しみにしています」

女流名人戦は37期を数えますが、スポンサーが何度か変わる歴史があります。このたび、37期を持って休止となりました。

上野女流名人は、来年の4月15日まで女流名人を名乗ることができます。

本因坊戦の挑戦者に福岡航太朗七段

新しい若い力の台頭に期待がかかる

一力遼本因坊への挑戦者に、20歳の福岡航太朗七段が名乗りをあげました。

福岡七段が七大タイトルに挑戦するのは初めてです。

ここ数年、タイトル戦はほとんど芝野虎丸二冠、一力遼四冠、井山裕太碁聖の3人で戦っている状況で、新しい若い力の台頭として福岡七段がどれだけ力を示せるかが注目されます。

福岡七段にとって、一力本因坊は学んだ洪道場の先輩というだけではなく、若手を鍛える目的の研究会に指名される(ほかに藤沢里菜女流本因坊と仲邑菫四段がメンバー)など、目をかけられている仲です。

福岡「七大タイトル挑戦は入段したときから目標としてきたので、挑戦者になれてよかった。一力本因坊には昔からお世話になってきた。恩返しではないが、ひとつ成長した姿を見せられたら」

本因坊戦五番勝負は5月13日、滋賀県東近江市で開幕します。

芝野虎丸新棋聖誕生 一力遼名人は五連覇ならず

「一力一強」に待った

一力遼棋聖に芝野虎丸十段が挑戦する第50期棋聖戦第七局が3月26日に神奈川県箱根町「花月園」にて打たれ、芝野挑戦者が初の棋聖位を獲得しました。

今期は激戦続きでフルセットまでもつれましたが、第7局は1日目で大きくリードした芝野挑戦者が一力棋聖の追随を振り切って勝利。挑戦手合いで初めて一力名人に勝って、タイトルを奪いました。

これで一力名人は四冠(名人、王座、天元、本因坊)に後退。芝野棋聖が二冠(棋聖、十段)となり、「一力一強」に待ったをかける形になりました。

今シリーズは、一力棋聖が5連覇を達成するか、芝野挑戦者が初の棋聖に就くかが注目されました。

5連覇(または10期獲得)を達成すると、名誉称号を得られ、60歳、または引退すると名乗ることができます。

最近では井山裕太碁聖が名誉棋聖、名誉天元、名誉碁聖、二十六世本因坊に続き名誉王座も獲得しています。

芝野棋聖は、一力名人に2023年の棋聖戦挑戦手合いで破れて以来、名人戦、天元戦、本因坊戦、さらに名人戦と負け続け、やっと6度目の挑戦でタイトルを獲得することができました。

芝野棋聖は対局後の記者会見で「いまだに信じられない気持ちです。自分の力は出し切ったかな。見てくださる人にしてみたら、今回負けたら『また一力か』となるので、早めに勝てたらいいなとは思っていました。今回はそんなに悪くない内容なのかと思います」と喜びを語りました。

一力名人に負け続けているころ、芝野棋聖は「一力さんとは2歳違う。2年後に一力さんの状況になっていればいい」と話したことがあります。その2年後の始まりが今回のタイトル奪取なのでしょう。

あらためて、棋聖獲得、おめでとうございます。

N校グループ囲碁タイトル獲得&プロ合格祝賀会

N高等学校の在校生・卒業生の囲碁棋士の活躍をお祝いする会「2025年度N校グループ囲碁タイトル獲得&プロ合格祝賀会」が3月30日に「品川プリンスホテル」にて盛大に行われました。

今年も大活躍だった上野愛咲美(女流名人・女流棋聖獲得、女流立葵杯防衛)、上野梨紗(SENKO CUPワールド碁女流最強戦2025優勝、扇興杯優勝)姉妹は、それぞれの優勝決定譜を解説したり、N校在校生とペア碁を披露したりと囲碁のすごさや楽しさを披露していました。

上野愛咲美女流名人「N校は好きな時間に好きな教科を勉強できるので、碁も集中して勉強することができました」

また新入段の棋士らも壇上にあがって挨拶し、温かい励ましの拍手を浴びていました。

佐川八重子社長 お別れの会

約700人が参列し、故人をしのんだ

囲碁界の普及と発展に大きく寄与してくださった桜ゴルフ社長の佐川八重子さんが昨年10月に亡くなり、そのお別れの会が3月26日に東京千代田区「帝国ホテル」にてしめやかに行われました。

会場には大きな祭壇、佐川社長のヒストリーがわかる写真が掲示されていました。

政財界に大きな貢献があった佐川さんですので、大勢の参列者のうち囲碁関係者はどれくらいいたでしょうか。

3月26日は木曜日。日本棋院は棋士の手合い日を木曜日と月曜日に定めていて、手合がつく可能性が高いので、多くの棋士は当日の「手合いお休み申請」をして、参加したようです。

私は大学生のときに囲碁インストラクターのアルバイトをしていて、そのとき(昭和の時代!)から佐川社長と指導碁を打たせていただくなどご縁ができました。

全日本女流アマ選手権大会を後援

それから囲碁ライターとなってからも、全日本女流アマ開会式で佐川社長がお話しする挨拶のアイディアをお伝えしたり、日欧青年交流の記事を書かせていただいたり、数え切れないほど、何かとお声をかけていただき、気をかけていただくことが続きました。

そして、日本棋院発行『週刊碁』が休刊になったことをきっかけに、桜ゴルフさんHP上でブロブを書くことを依頼され、現在に至ります。

囲碁界のことをずっと気にかけていただき、本当に長い間お世話になり、ありがとうございます。

今後ともどうぞ空の上から囲碁界を見守っていただければと思います。