第44期女流本因坊戦五番勝負第4局 星合志保四段が勝利 決着は最終局に

コウ争いで再逆転勝利(星合四段)

藤沢里菜女流本因坊に星合志保四段が挑戦する第44期女流本因坊戦第4局が打たれ、星合四段が勝って対戦成績を2勝2敗とし、決着は最終第5局に持ち込まれました。

本シリーズは藤沢女流本因坊が6連覇を目指す一方、負ければ2016年以来、9年ぶりの無冠に転落してしまいます。

星合四段は5年前も藤沢女流本因坊に挑戦しており、そのときは0勝3敗のストレートで敗退しています。

第4局は中盤で星合四段が大きく抜け出し優勢を築いたのですが、終盤が得意な藤沢女流本因坊が猛追し、一時は細かいながら形勢は逆転しました。いつもの藤沢女流本因坊の勝ちパターンかと思っていたら、コウ争いで再び星合四段が逆転し逃げ切りました。

最終第5局は勝てば6連覇、負ければ無冠(藤沢女流本因坊)

これで2勝2敗のタイとなり、決着は最終局に持ち込まれました。

崖っぷちの藤沢女流本因坊が意地を見せるか、星合四段が初栄冠を手にするか。

第5局は11月5日に日本棋院本院にて打たれます。

一力遼名人が初防衛を果たす 第50期名人戦 芝野虎丸十段は返り咲きならず

七冠同時制覇なるか

一力遼名人に芝野虎丸十段が挑戦する第50期名人戦七番勝負第6局が10月14,15日に愛知県田原市「角上楼」にて打たれ、一力名人が中押し勝ちを収めました。これで対戦成績を4勝2敗とし、名人初防衛を果たしました。

芝野十段は地合いで勝負する道があったが…

 第6局は芝野十段が築いた大模様に一力名人が突入し、生死をかけた読み合いとなりました。一力名人の石を取れそうにないと思った芝野十段があきらめてしまったのが敗着となりました。実は生きられても地合いで勝負する道があったのですが、「人間的にはそう思うのは難しい」と解説の伊田篤史九段。

 一力名人はこれで挑戦手合い8連勝と無双の状況です。

鶴巻温泉での王座戦に向かった

翌9日は朝8時半から「一夜明けて」のインタビューを受けて、宿をあとにしました。実は一力名人だけは帰るのではなく、豊橋駅からこだまに乗って小田原乗り換えし、17日から鶴巻温泉「陣屋」で開幕する王座戦に向かったのでした。碁界の第一人者の地位を守った一力名人。目指すは井山裕太王座しか成し遂げたことのない七冠同時制覇です。

「第28回 湘南ひらつか囲碁まつり1000面打ち大会」

すっかり恒例となりました「湘南ひらつか囲碁まつり 1000面打ち大会」が10月12日に神奈川県平塚市で盛大に行われました。

昭和を代表する棋士木谷實九段が居を構え、70人以上の弟子を育て、現在の囲碁界の礎を作ったことから、神奈川県平塚市は囲碁のまちとして活動を続けています。

その最も大きなイベントが、1000面打ち大会です。

プロ棋士が50人も集まって、アマチュアのみなさんと対局したりトークショーを行ったりと、規模も日本最大クラスのイベントです。

平塚駅前の商店街、180mにずらりと碁盤が2列に500面並んだ姿は壮大で目を引きます。500面を2セットやることで1000面打ちというわけです。

プロとの対局以外にも、「木谷門下レジエンドによる座談会」「高尾紳路九段、上野梨紗女流棋聖による囲碁講座」「囲碁入門教室」「初心者個別指導コーナー」「平塚名産品物販」などなどお楽しみが目白押し。

昨年に続いて2回目の参加となった上野梨紗女流棋聖は「指導碁でもみなさん優しくて、楽しめました。こんなまちの中で大きな大会はなかなかありません。また平塚でみなさんにお会いできて嬉しい気持ちになりました」と話していました。

第50期名人戦七番勝負 芝野虎丸十段が2勝目 カド番をひとつしのぐ

中押し勝ちを収めた芝野十段

一力遼名人に芝野虎丸十段が挑戦する第50期名人戦七番勝負第5局が10月7.8日に山梨県甲府市「常磐ホテル」にて打たれ、芝野十段が中押し勝ちを収めました。これで対戦成績を2勝3敗とし、カド番をひとつ返しました。

常磐ホテルは皇室の方々も訪れるおもてなしが素晴らしいお宿。囲碁将棋の挑戦手合いが何度も行われていて、囲碁将棋の「定宿」です。ホテル自慢の温泉にむかう廊下には「名人の小径」と称したコーナーがあり、これまでの熱闘の軌跡が写真などで楽しむことができます。

連休明けに第6局が打たれる

盤上は、先に一力名人が陣地を稼ぎますが、ふたつの弱い石を芝野十段にうまく攻められます。リードしていた陣地でも追い抜かれ僅差の勝負となりましたが、最後は勝ちがないと名人が投了しました。最後、計算していたら1目半ほどの差だったといいます。

芝野十段の得意な攻めが成功した好局だったと思います。

次の第6局は10月14、15日、愛知県田原市「角上楼」にて打たれます。

女流本因坊戦が開幕 初戦は藤沢里菜女流本因坊が制す

6連覇と通算9期目のタイトルを狙う

藤沢里菜女流本因坊に星合志保四段が挑戦する第44期女流本因坊戦(主催:共同通信社/日本棋院/関西棋院、協賛:JA共済連/共栄火災)挑戦手合五番勝負が9月24日に岩手県花巻市「佳松園」で開幕し、藤沢女流本因坊が幸先のよい1勝を挙げました。

星合四段が女流本因坊戦に挑戦するのは4年ぶり2度目。初タイトルをめざします。

星合四段は「挑戦者決定トーナメントでは強敵と戦ってきました。自信を持ってタイトル戦に臨みたい」と語っています。

藤沢女流本因坊は6連覇および単独最多となる通算9期目のタイトルを狙います。

初タイトルを目指す星合四段(右は夫の孫喆七段)

ちなみに藤沢女流本因坊は、名人戦の最終予選にも残っていて、あと2勝でリーグ入りまで迫っています。一般棋戦でも大活躍なのです。

第1局は最初の戦いでポイントを挙げた藤沢女流本因坊がリードを守って、そのまま逃げ決まりました。

第2局は10月7日に日本棋院東京本院にて打たれます。