日本棋院では毎週、勝ち星ランキングが発表されます。
10月3日現在のランキングは以下のとおりです。
①藤沢里菜女流本因坊 40勝18敗
②上野愛咲美女流立葵杯 35勝15敗
芝野 虎丸名人 35勝16敗
④井山 裕太王座 34勝18敗
⑤一力 遼棋聖 31勝12敗
上野梨紗女流棋聖 31勝19敗
⑦加藤 千笑三段 30勝14敗
⑧三浦 太郎三段 29勝8敗
星合 志保四段 29勝18敗
⑩六浦 雄太八段 28勝7敗
酒井 佑規五段 28勝8敗
福岡航太朗五段 28勝10敗
⑬牛 栄子四段 26勝20敗
⑭許 家元九段 25勝13敗
⑮本木 克弥九段 24勝8敗
⑯富士田明彦七段 23勝14敗
志田 達哉八段 23勝19敗
⑱桑原 樹二段 22勝6敗
鶴田 和志六段 22勝9敗
山下 敬吾九段 22勝11敗
㉑黄 翊祖九段 21勝6敗
小西 理章二段 21勝10敗
謝 依旻七段 21勝16敗
㉔伊藤 優詩五段 20勝7敗
小林 覚九段 20勝8敗
寺山 怜六段 20勝8敗
卞 聞愷四段 20勝8敗
小山 空也六段 20勝9敗
伊藤 健良三段 20勝9敗
伊 了三段 20勝9敗
内田 修平八段 20勝10敗
山森 忠直七段 20勝10敗
鈴木 歩七段 20勝13敗
向井 千瑛六段 20勝14敗
(女流、若手棋戦を含む)
上位6人はさすが、現在活躍しているタイトルを保持しているトップ棋士が占めています。
井山裕太王座は30代、上野梨紗女流棋聖は10代ですがほかは20代です。
現代は20代が活躍の中心になっている証左でもあるでしょう。
一力遼棋聖は応氏杯で世界チャンピオンになっていますが、その勝ち星はカウントされていません。というのは、応氏杯のコミが動く(秒読みがなく、持ち時間が切れるとコミ2目を払って35分もらう)という独特のルールがあるので、公式記録にしないというのですが、なんかもやもやします。一力さんは予選(2勝)、本戦(2勝)、準決勝(2勝1敗)、決勝(3勝)の合計9勝をあげていますので、事実上、40勝で1位の藤沢里菜女流本因坊と並んでいるのです。
棋士は勝ち星、対局数でも争っていますので、なんとかならないものでしょうか。
ずらり名前が並んでいますが、そのほとんどが20代から30代前半の棋士ばかりです。
新人王を獲得した三浦太郎三段(19)や福岡航太朗五段(18)m桑原樹二段(16)ら10代の棋士もいるなか、40代と60代は注目に値します。
山下敬吾九段は46歳。平成四天王(山下、張栩九段、高尾紳路九段、羽根直樹九段)でランキングされているのは唯一人と頑張っています。名人リーグに在籍もして、なおも第一線での対局を積み重ねています。
6月まで日本棋院理事長を務めていた小林覚九段は65歳で大ベテラン勢のなかでひとり気を吐いています。
重職から解かれて、対局に集中されているのでしょう。
過去、タイトル獲得最高齢は藤澤秀行名誉棋聖の67歳(王座)ですが、現在はAI時代で若手が急成長できる環境にあり、同じように見るのは大変です。
しかし、ベテランの活躍は、若手にも「あの年齢になってもやればできる」との励みにもなります。
山下九段、小林九段の活躍にも注目してください。