Monthly Archives: 2月 2025

若手棋士を対象とした教養講座 上野愛咲美女流・梨紗女流棋聖姉妹らがマナーとコミュニケーションを学ぶ

藤沢一就八段門下の若手棋士を対象に、「世界で活躍する人材を育成し生きる力を醸成する教養講座」のひとつとして、「マナー&コミュニケーション講座」が2月21日に新宿こども囲碁教室(東京都新宿区・藤澤一就八段主宰)にて行われました。

講師は人材育成コンサルタント・ビジネスコーチの平塚惠理子氏(オフィスノヴァエラ(株)代表取締役)。

内容はマナーとはいえ、挨拶、身だしなみ、表情、立ち振る舞い(立ち方、歩き方座り方、お辞儀の仕方、名刺交換の仕方)、上座の見分け方、適切な言葉遣いなど多岐にわたる内容で、座学だけでなく、実践も含め、11人の棋士がたっぷり3時間、ビジネスの常識やマナーを学びました。

上野愛咲美女流立葵杯は「知らないことばかりで、これからすぐに実践できることが学べてよかったです。貴重な機会をいただきました」。「名刺の渡し方が複雑で覚えるのが大変。お辞儀も今までペコペコしてしまっていましたが、1、2回でいいと学び、これから気をつけたいと思いました。元気のよい声ではきはきと挨拶するよう心がけます」と抱負を語ったのは広瀬優一七段。

愛される棋士になることも、囲碁普及には大事だと思います。

このような講座は、新人棋士皆に受講してもらうのがいいと改めて感じました。

ファッションショーとペア碁のコラボレーション

ゆうきゅう戦コシノジュンコクリスタルCUP~13路盤プロペア碁トーナメント~

上野・芝野ペアが優勝

ペア碁をご存じですか。男女ペアが一手ごと交代で囲碁のルールで打っていくゲームで、アジア大会で採用されたこともあるなど、ひとつの競技として確立しています。
1月末に藤澤一就一門後援会設立1周年を記念して「ゆうきゅう戦JUNKOKOSHINO CRYSTAL CUP」が開催されました。

ペア碁はアジア大会でも採用された

藤澤一就門下と選抜された棋士、8組16人が男女ペアになって13路盤で優勝をトーナメントで争うイベントです。
ペア碁は紳士淑女の競技ということで、ドレスアップして臨むのがマナーで、会場は大変華やかです。
決勝戦は上野梨紗女流棋聖・芝野虎丸九段ペアVS小林泉美七段・関航太郎九段。
13路盤といえども白熱した戦いが繰り広げられ、上野・芝野ペアが優勝し賞金30万円を手にしました。

さらに、今回の目玉はデザイナーで囲碁にはまってらっしゃるコシノジュンコさんが囲碁をイメージしたミニファッションショーが行われたことです。
多くの参加者が初めて目の当たりにして、感動感激しました。

囲碁を知らない人にも関心を持ってもらえる、ファッションショーとのコラボは新しい試みです。
普及の手段をいろいろ考えている人は多く、今後もこのようなイベントは増えていくことでしょう。

五代目棋士誕生 4月に関山穂香さんがプロに

関山利道九段と穂香さん父子(関山利道九段提供)

2025年4月に入段(プロ入り)する新人が次々決まってきています。

今回、日本棋院関西総本部の女流特別採用棋士に関山穂香さん(17歳)が決まりました。

これまで四代続く棋士の家系として、

木谷實九段→三女・小林(旧姓木谷)禮子七段→長女・小林泉美七段→長女・張心澄二段、次女・張心治初段

が有名でしたが、それを超える5代続く棋士一家が誕生したのです。

穂香さんは日本棋院・関西棋院を通じて初めて、5代目の棋士になります。

提供・日本棋院

穂香さん(2007年6月生まれ)の師匠、関山利道九段(関西棋院棋士 1973年6月生まれ)は父親でもあり、4代目棋士です。昨年公開された映画「碁盤斬り」の最初のタイトルが出てくるシーンで、ちょんまげを結って盤上に石を打ち付けているのが、利道九段です。

3代目は関山利夫九段(関西棋院棋士 1937年7月~1992年9月)。

2代目の関山利一九段(日本棋院から関西棋院に転籍。1909年12月~1970年1月)は、第1期本因坊で「利仙」と名乗りました。

初代の関山盛利四段は、日本棋院関西支部(関西総本部の前身)所属で、明治8(1875)年生まれ。今年はちょうど生誕150年にあたります。段位は三段であったことは確認されているのですが、関山家伝承では四段だったので、関山家を尊重して四段としています。

ぜひNHKのファミリーヒストリーなどで取り上げてはっきりしたものが知りたいですね。それには穂香さんの活躍を期待したいと思います。