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日本棋院芸能人囲碁部

新しく囲碁大使になった3人は全員有段者

囲碁の魅力をより広く発信することを目的として、「芸能人囲碁部」は2022年4月に発足しました。役者、声優、歌手などのみなさんが集まり、対局を楽しんでいます。

6月27日は指導棋士に平田智也八段、茂呂有紗三段が登場。また、囲碁大使委嘱イベントもありました。

新しく囲碁大使になったのは、『碁盤斬り』などで知られる脚本家の加藤正人さん、声優の照井春佳さん、シンガーソングライターのJoanna(小池ジョアンナ)さんの3人。全員有段者ですから、頼もしいものです。

戸島花さんに感謝状が贈られた

芸能人囲碁部・部長の戸島花さん(囲碁大使)には、これまでの活動を評して感謝状が贈られました。

ほとんどの人がプロに指導碁を打ってもらうなか、真剣勝負が打たれたのが加藤正人さん(5段)対Joannaさん(4段)。

序盤でJoannaさんの積極策がうまくいき優勢を築きましたが、最後で加藤さんが意地を見せて勝利しました。

発信力のあるかたがたに囲碁を楽しんでいただき、囲碁の魅力を広げていただければと思います。

指導棋士に平田智也八段、茂呂有紗三段が登場

上野愛咲美女流名人就位式

2期ぶり2度目の就位

上野愛咲美女流名人の就位式が6月12日に日本棋院で行われました。

謝辞で語ったのは、意外な勝因でした。

ここ5年のうち女流名人戦三番勝負は、藤沢里菜女流本因坊と上野愛咲美女流立葵杯の組み合わせは4期あります。いずれもストレートの2連勝で決着しており、今期は上野愛咲美さんが2期ぶり2度目の就位となりました。

謝辞に立った上野愛咲美女流名人。「今回は勝てると思っていなくて、結果がついてきてよかったです。要因のひとつが、おやつをいつたべるかという問題があったと思います。3時におやつが来たとき、今すぐ食べるか、あとにするか、相手が離席した瞬間か、勝負が決着して終わった後か。悩んだので経験豊富な一力遼棋聖に『おやつはいつ食べるのがよいか』をきいたところ、『食べたいときに』といわれました。食べたいときにレアチーズケーキ(愛咲美さんの好物です!)を食べて幸せな気持ちで打つことができました」と愛咲美節で周囲を和ませました。

愛咲美節で周囲を和ませた

さらに、「女流名人戦は女流棋戦唯一リーグ戦で挑戦者が決まります。直前2ヶ月に毎週真剣勝負を打って経験を積み、反省ができる挑戦者と、だれが挑戦者かどきどきしながら待っているタイトルホルダーの差があります。来年は待つ身なので、リーグ戦を観戦しながら気持ちを高めていけたらと思います」と締めくくりました。

「藤沢秀行名誉棋聖 生誕百年の集い」

多くの人に愛された

素晴らしい棋譜、多くの伝説を残し2009年に亡くなった藤沢秀行名誉棋聖の生誕百年を記念した集いが6月15日、日本棋院にて行われました。

門下の高尾紳路九段を始め、薫陶を受けた多くの棋士やファンが集まり、思い出話に花を咲かせました。

藤沢秀行名誉棋聖は1925年6月14日生まれ。2009年83歳で亡くなるまで、多くの人に愛され、数々の伝説を残しました。

書の大家としても知られる

「藤沢秀行名誉棋聖 生誕百年の集い」では、書の大家としても知られる秀行先生の書や写真などが展示されたり、薫陶を受けた棋士たちからファンが指導碁を打ってもらったり、棋士が次々登壇して思い出を語るなど楽しい催しがありました。

武宮正樹九段は「秀行先生との対局は、勝ち負けは頭からすっかり消えて、ただいい碁を打ちたいという気持ちになった」、石田秀芳二十四世本因坊は「棋聖戦になると人が変わったように強くなった。初めて競輪に連れて行かれたのが秀行先生」など、対局のときの気持ちなど楽しい話をしていました。

薫陶を受けた棋士たちによる指導碁も行われた

いっぽう、弟子の高尾九段や三村九段は、朝5時や6時に秀行先生から電話がかかってきて、「碁盤もってこい」「あの碁のあの手をどう思うか」「(口ごもっていると)馬鹿野郎!」など怒鳴られる恐怖を語りました。

孫弟子にあたる上野愛咲美女流名人は「秀行先生には、1度だけ小学校1年のとき道場で碁を見てもらいました。妹はベビーカーに乗っていました」。「秀行先生を近くで見たことがあるようですが覚えてなくて……」と妹の上野梨紗女流棋聖。

弟子で孫の藤沢里菜女流本因坊は「すごくやさしくしていただいた。今度打とうねと、住所や電話番号が書かれた紙をいただいたのですが、その後体調を崩されて打つことはありませんでした」など、高尾九段や三村九段とは全く違う一面を見せていたようです。

生誕百年でこんなに人が集まる棋士がどれだけいるでしょうか。

秀行先生が多くの人に愛されたことが再認識できた1日でした。

囲碁将棋ファンを増やそう!「三鷹囲碁将棋フェスタ2025」

「三鷹囲碁将棋フェスタ2025」(主催:NPO法人洪道場囲碁普及会)が昨年に引き続き、5月31日に三鷹市「三鷹産業プラザ」にて盛大に模様されました。あいにくの雨天でしたが、子どもと大人、500人近くが1日楽しみました。

河村孝三鷹市長の「初心者の方にも気軽に囲碁と将棋の世界に触れられるイベントとして楽しんでいただければと思います」との挨拶どおり、囲碁と将棋、初心者から腕に覚えのある人までが楽しめる企画が満載のフェスタです。

囲碁の初心者対象のブースだけでも、①入門体験②パンダネット③公文囲碁④純碁体験(王銘エン九段、大西研也六段)と各種あり、自分にあったものを選べます。打てる人は自由対局もできるし、穂坂繭三段や金子真季二段との記念対局(抽選)もありました。

さらに「ゲームマスター」芝野龍之介三段による囲碁・将棋・チェスなどの五面同時対局に挑戦することもできます。

将棋も初心者用の「ぴょうんぴょんしょうぎ」「どうぶつしょうぎ」から先崎学八段らに挑戦できる記念対局もあり、どんな棋力の人も楽しめるよう用意されていました。

またショートムービーの上映、吉原由香里六段や洪清泉四段、将棋の先崎学八段、高橋和女流三段によるトークショーもあり、囲碁将棋ができない人も楽しめる時間もあります。

このイベントは参加無料で、スタンプラリーを達成すると抽選でかなり豪華な賞品ももらって帰れるという素敵なおまけもついていました。

ひとりでも囲碁将棋を始めてくれる人が増えてくれたことを期待してやみません。

碁聖戦の挑戦者は芝野虎丸十段に決定 

5月はハードスケジュールだった芝野十段

井山裕太碁聖への挑戦者を決めるトーナメント決勝戦が5月29日に日本棋院東京本院で打たれ、芝野虎丸十段が挑戦者となりました。

決勝戦は芝野十段と大竹優七段との間で争われました。

初めて挑戦者決定戦に勝ち進んだ大竹優七段は長野県出身の23歳。中部総本部所属で本因坊リーグに在籍経験もある若手のホープです。

準決勝ではこれまで1度も勝ったことのない一力遼棋聖を破って決勝に臨みました。勢いがあります。

芝野虎丸十段も先月に十段位を井山裕太王座から奪って無冠を返上。今年は好調を維持していますが、4日前に本因坊戦挑戦手合五番勝負大2局で一力遼本因坊に黒星を喫し、カド番に追い込まれたばかり。

準決勝で一力遼棋聖を初めて破った大竹七段

一力棋聖に対して明暗が分かれている両者。対局は芝野十段が序盤の折衝で奪ったリードをそのまま守り、勝ちきりました。

芝野十段は5月だけで7局手合いがあり、タイトル戦は移動日もありますので、ハードスケジュールで動いています。

十段戦に続いて2回目の井山―芝野のタイトル戦となる碁聖戦は、6月25日に開幕します。