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一力遼九段、宿願の世界一達成 応氏杯世界選手権優勝

第10回応氏杯世界選手権(主催:応昌期囲棋教育基金会)決勝五番勝負で一力棋聖は、謝科九段(中国)を3連勝で倒、見事、優勝を果たしました。

日本勢の国際棋戦優勝は19年ぶり(2005年LG杯張栩九段)で、日本人に限れば、1997年に小林光一名誉棋聖が富士通杯を制して以来のことです。

一力棋聖は河北新報社の取締役も務める二刀流で、河北新報からは号外も出されました。

8月中旬に行われた第1、2局を連勝していた一力棋聖は、9月8日に上海で打たれた第3局も逆転勝ちして、日本宿願の世界一に就きました。

一力棋聖「対局後、重いトロフィーを受け取り、多くの方々からお祝いの言葉をいただいて、やっと実感が沸いてきました。準決勝(三番勝負)で柯潔九段(中国)に勝って大きな自信になりました。心技体のなかで、心を強化してきました。以前ほど動揺しなくなったり、気負わなくなったりました」

昨年アジア大会で個人で4位となって、悔し涙を流していた一力棋聖。そこから、ナショナルチームでの練習碁をもっと厳しいシステムになるよう提言したり、世界戦帯同棋士を気心の知れた許家元九段に指名したりと、環境面を整えることにも注力してきた結果です。

今の神がかった強さの一力棋聖はどこまで続くのでしょうか。

9月17日からは名人戦第3局で芝野虎丸名人と対局します。

一力棋聖に大いに注目してください。

芝野虎丸名人、秋からのタイトル戦に出ずっぱりに

8月末からの名人戦開幕は碁界の秋の陣。名人戦と重なるスケジュールで天元戦、王座戦が続々と始まります。

芝野虎丸名人に一力遼棋聖が挑戦する名人戦の第1局が8月27、28日に打たれて、一力棋聖が完勝の内容で制しました。一力棋聖のあまりの調子の良さに、これはこのまま……?と思っていたら、8月30日に王座戦挑戦者決定戦が芝野名人vs一力棋聖で打たれ、芝野名人が勝って、井山裕太王座への挑戦権をつかみました。

さらにその3日後の9月2日に、芝野名人は許家元九段を下して、天元戦の挑戦者にも名乗りを挙げました。天元のタイトルホルダーは一力遼天元です。

その結果……

名人戦 芝野虎丸名人-一力遼挑戦者

天元戦 一力遼天元-芝野虎丸挑戦者

王座戦 井山裕太王座-芝野虎丸挑戦者

となり、芝野名人にとっては超多忙なスケジュールのなかでタイトル戦を打つことになりました。

名人戦が始まる前に6月末から7月にかけて打たれた碁聖戦も井山裕太碁聖-芝野虎丸挑戦者(3連勝のストレートで井山碁聖が防衛)の組み合わせでしたので、現在の囲碁界はこの3人中心でまわっているということですね。

名人戦第1局で不調かと思われた芝野名人ですが、この1週間の内容を見ても決してそんなことはないと実感しました。そして9月4、5日には名人戦第2局が打たれ、難戦を一力棋聖が制し、2連勝としました。

一力棋聖は第2局宮崎辛き超した翌日に中国に飛び、応氏杯決勝5番勝負の第3局~に挑みます。

強い棋士の宿命とはいえ、皆ハードスケジュールとなります。体調だけは気をつけていただいて、悔いのない戦いをしていただきたいと思います。

第49期囲碁名人戦七番勝負 芝野虎丸名人の出身地・相模原市で開幕

芝野虎丸名人に一力遼棋聖が挑戦する第49期囲碁名人戦七番勝負が、神奈川県相模原市で開幕し、一力挑戦者が勝利し、幸先の良いスタートを切りました。

相模原市は今年、市制施行70周年記念ということで相模原市出身の芝野名人が3連覇を目指す囲碁名人戦を誘致しました。

相模原市はもちろん芝野名人応援。ポスターやチラシは、芝野名人のソロ写真。(主催紙のものなどは両対局者の写真が掲載されます)。

地元の声援が届けば届くほど力になる棋士もいますが、地元対局は「肩に力が入りすぎて空回りしてしまう」とおっしゃる小林光一名誉棋聖(北海道旭川市出身)もいます。

芝野名人はどちらのタイプでしょうか。

一力挑戦者も2年前の棋聖戦第4局では出身地の仙台市「宮城県知事公館」での対局があり、熱い声援が背中を押したようで、見事勝利を飾りました。

対局のほうは、白番の芝野名人が大きな模様を広げ、そこに一力挑戦者が侵入して戦いが起こりました。一力挑戦者がうまくしのいでリードし、名人が仕掛けるトラップを次々かわして勝利。

対局終了後には、大盤解説会に両対局者が登壇して碁の感想などを話して、ファンを喜ばせました。

名人戦対局のほか、大盤解説会、指導碁会、入門教室など多くの催し物が行われ、会場の「杜のホールはしもと」はおおいに賑わっていました。

入門教室は、芝野名人、一力挑戦者を育てた洪道場の洪清泉四段が道場のスタッフとともに担当する豪華版です。

相模原市は、パリオリンピックで金メダルを受賞したスケートボード吉沢恋選手ら有名選手が多いのが特徴です。

囲碁を知らないかたにも、ぜひ芝野虎丸名人を覚えてもらい応援してもらいたいと思います。

一力遼棋聖が「第10回応氏杯世界選手権決勝五番勝負」で謝科九段(中国)に2連勝し、初の世界タイトルまであと1勝としました。

応氏杯は、中国の応昌期さんが出資してできた棋戦で、4年に1度開催されます。賞金は40万ドルで、棋界最高額。

独特なルールがあるのが特徴です。

プロの棋戦はほぼ必ず持ち時間を使い切ると秒読みがあるのですが、応氏杯は持ち時間を使い切ると、決勝戦ではコミ2目を払って35分をもらう(3回まで)というまさに「タイムイズマネー」ルールがあります。

上野愛咲美新人王は、応氏杯予選2回戦で、元世界チャンピオンの朴廷桓九段に惜敗したのですが、最後、コミを払うかどうか迷ったのが命取りになりました。

一力棋聖は5月から公式戦13勝1敗と、ただ今絶好調。1敗は国手山脈杯2回戦での申眞諝九段(韓国)に喫したものです。お気づきでしょうか。応氏杯は変則ルール(秒読みがなく、持ち時間が切れたらコミを払う)のため、公式戦にカウントされていません。なので、本当は、応氏杯予選の2勝と1,2回戦、そして柯潔九段(中国)との準決勝三番勝負での2勝1敗がプラスされるほど勝っているのです。

日本はコミが6目半ですが、中国ルールのため、コミはいわゆる7目半計算。

黒番で打つときはいつもより1目多く勝たなければなりません。

第1局は一力棋聖が黒番でした。地を稼ぎ、相手の地の中で深遠な読みの裏付けのある絶妙手を放ち勝利。

第2局もしっかり細碁を勝ちきりました。

第3局以降は9月8日~中国で予定されています。

そのころは、名人戦七番勝負の真っ最中。

第2局宮崎対局から帰ってきた翌日に中国に発つ強行日程になりますが、今の一力棋聖からは不安材料も見当たりません。

期待は膨らむばかりです。

ぜひ皆さんも応援よろしくお願いします。

日本初の団体公式戦「日本女子リーグ」が開幕しました

日本棋院創立100周年の目玉事業、「日本女子囲碁リーグ」が7月27日に開幕しました。

女子リーグはドラフトで選ばれた1チーム4人(出場選手は3人)の5チームによる総当たりで2試合ずつ打って優勝を決めます。

第1ランドが7月27日に打たれました。

まず午前中に、チーム囲碁・将棋チャンネル(監督:鈴木伸二八段)とチームセンコーグループ(監督吉原由香里六段)が対戦しました。

チーム囲碁・将棋チャンネルは藤沢里菜女流本因坊がチームセンコーグループの上野愛咲美女流立葵杯に大逆転負けを喫したものの、星合志保四段が牛栄子四段に勝ち、徐文燕二段も万波奈穂四段に勝って、勝ち星を挙げました。

午後は、チーム名古屋(監督:下島陽平八段)とチーム福岡(監督:鶴山淳志八段)が激突しました。

チーム福岡の柳原咲輝初段がチーム名古屋の高雄茉莉二段に勝ったものの、ベテランの謝依旻七段が加藤千笑三段に、向井千瑛六段が王景怡四段に負けて、チーム名古屋が勝利しました。

第1ラウンド、チーム若鯉(監督:山本賢太郎六段)は手空き。

第2ラウンドは8月17日に、チーム若鯉-チーム福岡、チーム名古屋-チーム囲碁将棋チャンネル(チームセンコーグループは手空き)が打たれます。 YOUTUBE「日本棋院囲碁チャンネル」で解説付き中継もありますので、どうぞご覧下さい。