三浦太郎新人王がテイケイグループ杯俊英戦で優勝

酒井六段をストレートで下し優勝した三浦太郎四段(日本棋院提供)

第4回テイケイグループ杯俊英戦の決勝三番勝負第2局が5月3日に打たれ、三浦太郎四段が酒井佑規六段に勝ち、2連勝のストレートで優勝を決めました。

三浦四段は昨年秋に新人王も獲得し、今、最も脂ののっている若手のひとりです。準優勝となった酒井佑規六段も、2022年には新人王を獲得しており、次代を期待される棋士のひとりで、その棋風は「混沌流」と呼ばれています。

テイケイグループ杯は、俊英戦、レジェンド戦、女流レジェンド戦の3つがあります。レジェンド戦は60歳以上で七大タイトル獲得経験者らが出場し、現在は片岡聡九段がタイトルホルダーです。女流レジェンド戦は45歳以上かつ女流棋戦タイトル獲得経験棋士が出場でき、小林泉美六段が2連覇中でタイトルを保持しています。

俊英戦は25歳以下の棋士で、優勝すると時期以降出場できない規定。

第1回優勝が許家元九段、第2回が一力遼棋聖、そして第3回が芝野虎丸十段と歴代トップ棋士が名を連ねています(芝野十段は、第1回、第2回ともに準優勝)。

一力棋聖、芝野十段らが抜けた本棋戦、次世代を担う期待の若手として三浦太郎四段が優勝したのです。

テイケイ杯俊英戦の優勝賞金は1000万円。皆さんご存じのNHK杯の賞金が500万円ということから見ても、高額といえるでしょう。

左から4人目が三浦四段、右から4人目が小林泉美六段(テイケイグループ杯女流レジェンド)

先日、棋士控え室で会って「優勝おめでとうございます」とお声かけができました。その際、棋士仲間たちに「優勝賞金の使い道は?」などと聞かれていましたね。

三浦四段はよく、私が観戦記担当の名人戦リーグの記録係を担当していますが、何しろ字が上手で、丁寧。三浦四段がつける棋譜はすばらしく芸術品、というのが印象的です。

今後の注目棋士として、ぜひ名前を覚えておいていただきたいと思います。