名人戦挑戦者の行方は井山と福岡に絞られたか 芝野2敗で後退

一力遼名人への挑戦権をかけて争う第50期名人戦リーグ戦は4月28日に第5ラウンドが終了しました。全勝の井山裕太王座、福岡航太朗七段の首位グループを1敗で追う芝野虎丸十段がまさかの2敗目を喫し、挑戦者争いから大きく後退しました。

芝野十段は今年、絶好調でした。ここまで16勝2敗。2敗は国際戦(1勝2敗)なので、国内負けなしの15連勝だったのです。

今期名人戦リーグは昨年12月に始まり、芝野十段は初戦で井山王座に負けており、2勝1敗の状況で、2勝2敗の許家元九段との対戦を迎えました。

許九段との対戦成績は芝野十段の23勝14敗と大きく勝ち越しています。しかし、今回は許九段にずっと主導権を握られ、形勢もリードすることなく敗戦となりました。

当日、芝野十段も許九段も(ついでに記録係の柳井一真初段も!)しばしば鼻をかんでいたので、花粉症かなと見ていたのですが、芝野十段は咳もしていたので、体調も万全ではなかったのかもしれません。ご本人は「対局には問題なかったので、大丈夫です」とおっしゃっていましたが。

これで名人戦リーグは1敗者が消え、5連勝の福岡七段、4連勝の井山王座に挑戦者争いは絞られたように思います。

注目の井山―福岡戦は、5月15日に打たれます。