上野愛咲美女流名人が女性初の棋聖戦Bリーグに昇格 

棋聖戦Cリーグで準優勝し、上野愛咲美女流名人がBリーグに昇級しました。これは女性棋士初めてのことです。

棋聖戦は、序列の上からSリーグ、Aリーグ、Bリーグ、Cリーグがあります。まず、ファーストトーナメントを勝ち上がってCリーグに在籍し、成績上位がBリーグに行け、Bリーグの成績下位がCリーグに落ちる、ということが繰り返されます。

そして、Cリーグの優勝者とBリーグの優勝者が対戦して、勝った方がAリーグ優勝者と対戦。また勝ったほうがSリーグの2位と対戦。勝った方がSリーグ優勝者と、変則三番勝負(Sリーグ優勝者に1勝のアドバンテージ)を行い、挑戦者が決まります。

Cリーグにいても挑戦者、はたまた棋聖になれる可能性がある夢のシステムになっています。とはいえ、Sリーグ在籍者以外で挑戦者になった人は未だいません。

上野女流名人はCリーグ決勝戦で富士田明彦八段に負けて惜しくも優勝を逃しましたが、Bリーグ昇進を決めて、新たなステージでの活躍が期待されます。

上野「ファーストトーナメントを抜けたのも久しぶりで、最初から強い人との対戦が続き(Cリーグから)落ちないようがんばりたいという感じだったのですが、意外と内容頑張れて楽しく打てました。Bリーグで打てるのが嬉しい」

ガラスの天井を次々破る上野女流名人に、ますます期待したいと思います。

福岡航太朗本因坊就位式

「スピーチが面白い」とSNSで話題に

史上最年少の20歳6か月で本因坊となった福岡航太朗本因坊の就位式が2026年9月14日、東京文京区「椿山荘」にて盛大に執り行われ、福岡本因坊は大勢のファンや洪道場の仲間たちから祝福を受けました。

挨拶に立った高尾紳路理事張は「シリーズ前はまだ一力さんのほうが強いだろうと思っていましたが、僕の師匠・藤沢秀行が『男子三日会わざれば刮目してみよ』と話していた言葉どおり、福岡さんは大きく成長しました。一力さんを負かして自信になったでしょう。囲碁界は戦国時代になりました。先輩方に遠慮することなく、活躍してほしい」との言葉を贈りました。

福岡本因坊は「初めての五番勝負、前夜祭のスピーチでいろいろしゃべったら、『スピーチが面白い』とSNSに書いてもらい、負担になりました」とまず、皆を笑わせました。そして「一力先生には世界戦前に私だけ呼んでくれてふたりで勉強し、たくさんのものを吸収できました。今回は一力さんが花を持たせてくれました。次の(挑戦が決まっている)王座戦ではボコボコにされるのではないかと思っています。初めての五番勝負で棋士をやっていてよかった、有り難いと思いました。こんな囲碁界が続くことを願っています」と感謝を述べ、大きな拍手を浴びていました。

第51期名人戦七番勝負開幕 一力遼名人が先勝

幸先のいいスタートの一力名人

一力遼名人に芝野虎丸棋聖が挑戦する第51期名人戦挑戦手合七番勝負が8月26、27日、山梨県甲府市「常磐ホテル」にて打たれ、一力名人が勝って幸先のいいスタートを切りました。

1日目から両者とも時間をあまり使わず進めるのが、最近の傾向です。勝負所に時間を使いたいため、序盤は研究を深めて早く打とうとしているのです。

第一局を落とすことが多い芝野棋聖(左)

盤面右下で始まった小競り合いから中央へ戦いが進んだところで、芝野棋聖が錯覚したかとも思われる一手が出て、そこから一力名人がペースをつかみがっちり勝利。

第1局はたいてい落としてしまう芝野棋聖。今回も「いつもどおり」のスタートになってしまいました。

第2局は9月2、3日に静岡県伊豆市「東府やResort&Spa-Izu」にて打たれます。

碁聖戦五番勝負フルセットの末、井山裕太碁聖が防衛

無冠転落を回避

井山裕太碁聖に佐田篤史七段が挑戦した第51期碁聖戦挑戦手合五番勝負第5局が8月21日に日本棋院関西総本部で打たれ、井山碁聖が中押し勝ちをおさめ、防衛を果たしました。負けると20歳で名人を獲得して以来の無冠になるというピンチをしのぎました。

碁聖12期6連覇獲得で同一タイトル最多タイ記録(超治勲名誉名人の本因坊12連覇)と歴代一位の獲得タイトル数を80に延ばしました。

井山碁聖 「ひとまずひとつ結果を出せて嬉しく思います。このシリーズも負けた2局はチャンスを逃すような結果になって反省点も多い。一冠になった時点では常に無冠になる可能性はあるのですが、自分としてはすごく気にしていたということではなかったので、本局も意識せず臨めたかと思います」

佐田挑戦者 「挑戦を決めたときは自分で大丈夫かなという気持ちでした。自分が想像していた以上に反響、声援、注目があって、自分が出合ったのが囲碁でよかったという気持ちをかみしめて打てたシリーズでした。結果においては負けなので、自分なりに認めて、課題がより具体的になってきたので向き合っていけたらと思います」

佐田七段は七大タイトル戦初登場でしたが、初タイトルとはなりませんでした。

井山碁聖、防衛おめでとうございます。

名人戦挑戦は芝野虎丸棋聖に 一力遼名人と3期連続決戦

8月26日に甲府で一力名人に挑戦(朝日新聞囲碁将棋TVより)

一力遼名人への挑戦者を決める名人戦リーグ最終一斉対局が7月27日に打たれました。その日は「囲碁界の一番熱い日」と呼ばれています。

挑戦者争いは芝野虎丸棋聖と許家元九段に絞られていて、両者の直接対決がありました。結果、芝野棋聖が許家元九段に勝って1敗を守り、リーグ優勝を果たし挑戦権を得ました。芝野棋聖と一力名人の名人戦七番勝負は3期連続となります。

最終一斉対局ではもう1局、大注目の対戦がありました。

名人リーグは9人在籍でき、成績下位の4人が入れ替え戦に臨みます。

セミファイナルラウンドまでで、村川大介九段、伊田篤史九段、桑原樹七段の3人のリーグ落ちが決まっていました。あと一人の候補が、井山裕太碁聖と福岡航太朗本因坊のタイトルホルダーふたりで、最終戦の直接対決で残留が決まります。

タイトルホルダーふたりによる「鬼勝負」

日本棋院関西総本部で打たれた「鬼勝負」は、タイトルホルダーどうしにふさわしい大熱戦になりました。

最後に笑ったのは、井山碁聖で、名人リーグ連続在籍(名人在位も含む)記録を20期に伸ばしました。

一力名人と芝野棋聖の挑戦手合いは、8月26日に山梨県甲府市「常磐ホテル」にて開幕します。