Monthly Archives: 7月 2025

歌あり演奏あり、もちろん囲碁もある「洪道場20周年記念・音楽がある祝賀会」に行ってきました

盛りだくさんの催しは5時間近くに及んだ

一力遼棋聖、芝野虎丸十段、藤沢里菜女流本因坊らを育てた洪道場が20周年を迎え、祝賀会が6月28日に開催されました。場所はなんと「高円寺スタジオK」(東京都杉並区)という音楽スタジオ。道場主催の洪清泉四段は大の音楽好き(で、歌も大変上手!)、ということで選んだといいます。碁を打つのはもちろん、飲んで食べて、歌って奏でるという盛りだくさんな内容で、お祝いに駆けつけたファンも大満足でした。

囲碁大使となった歌手のJoannaさんも登場

音楽スタジオを借りて、さらにプロのミュージシャンによる生バンドの演奏で、棋士たちが次々ステージに上がって歌うという、前代未聞(!)の催しです。

午後3時半にスタートし、歌い演奏したあとは休憩時間に飲んだり食べたり。歌は15分刻みで進んでいき、午後8時過ぎまで5時間ちかく、盛りだくさんのスケジュールです。

囲碁大使となった歌手のJoannaさんの圧巻のステージあり、出身棋士だけではなく、林漢傑七段、大橋拓文七段(ピアノ)、藤井浩貴三段ら他の門下の棋士らの演奏もあり、盛り上がりました。

当日は「日本女子リーグ」の最終日とも重なり、藤沢里菜女流本因坊や一力遼棋聖の姿が見えなかったのは残念でしたが、芝野虎丸十段は女子リーグの解説を終えて駆けつけていました。

多くのプロ棋士を送り出している

予定にはなかったようですが、その場で呼ばれ、虎丸十段も小山空也七段、小池芳弘七段らと歌声を披露して大きな拍手を浴びていました。

現在の日本のプロは、洪道場なくしては語れません。末永く続くことをお祈り申し上げます。

アマ名人戦三番勝負 夏冰アマ名人が二連覇

「1局目も2局目も自分らしく力を出し切れた」と振り返った

アマチュアの日本一を決めるアマ名人戦三番勝負が7月19、20日に打たれ、夏冰アマ名人が挑戦者の栗田佳樹さん(東京代表)を2勝0敗のストレートで退け、初防衛を果たしました。

朝日アマ囲碁名人戦は、アマ棋戦で唯一の挑戦手合制を採用しています。

7月5、6日にあった全国大会で栗田さんは優勝し挑戦権を獲得しました。

栗田さんは過去、2018年(第13期)にアマ名人となったり、唯一アマの参加ができる棋聖戦で2019年のファーストトーナメントを勝ち上がってCリーグ入りし、3勝を挙げ残留した実績があるトップアマの一人だ。

当時は学生だった栗田さんも、現在は社会人となった。

夏さんは「これまで栗田さんとは2局打っていますが、勝ったことがありませんでした。1局目も2局目も自分らしく力を出し切れました。去年、大関稔さんに勝ってアマ名人になり、今年は栗田さんに勝って防衛。大関さんも栗田さんもトップアマですので、二人を倒せたのは自信になります。来期も自分らしい碁が打てるよう頑張ります」と喜びを語りました。

右から夏冰アマ名人、解説の孫喆七段、栗田佳樹挑戦者(Youtube中継出演後に撮影)

負けた栗田さんは「今回の三番勝負にあたって、布石など準備してきました。しかし2局とも簡単なミスで敗れて、ふがいない。なんか信じられません。自分の実力なので仕方ない。また頑張ります。今回の結果はまずかったので次回も頑張りますが、全国を勝ち抜くのは大変だということは身にしみています。準備して臨みたいと思います」と反省しながら気持ちを新たにしていました。

上野梨紗女流棋聖、扇興杯初優勝で二冠に

公式戦8連敗で心が折れかけていた中、見事なV

第10回扇興杯女流最強戦(協賛:センコーグループホールディングス株式会社)の決勝戦が7月13日に打たれ、上野梨紗女流棋聖が藤沢里菜女流本因坊に勝って初の扇興杯を獲得しました。

7月11日には扇興杯に勝ち上がっていた4人が滋賀県東近江市の「迎賓庵あけくれ」に集まりました。準決勝の組み合わせは上野梨紗女流棋聖対加藤千笑三段、藤沢里菜扇興杯対上野愛咲美女流名人で、上野梨紗女流棋聖と藤沢里菜扇興杯が勝って決勝に駒を進めました。

13日の決勝戦は激戦の末、ヨセ勝負となりました。半目勝負だったのですが足りないとみた藤沢扇興杯が勝負手を打ちましたが、上野梨紗女流棋聖がうまく対応し勝利。藤沢扇興杯の二連覇はなりませんでした。

激戦の末、ヨセ勝負を制した

上野梨紗「初めて扇興杯では決勝に進んだので、前夜はわくわくしていました。相手の里菜先生は強すぎるのでこんな結果になるとは思いませんでした。実は公式戦8連敗していて、心が折れかけていました。優勝することができて嬉しく思います」

ちなみに優勝賞金は800万円、準優勝400万円です。

この結果、女流タイトルの勢力図は……

藤沢里菜:女流本因坊

上野愛咲美:女流名人、女流立葵杯、呉清源杯

上野梨紗:女流棋聖、扇興杯、SENKO CUP

となりました。上野姉妹がじわじわ勢力を広げています。

今後も注目です。

一力遼本因坊が三連覇 芝野虎丸十段を3勝2敗で退ける

「昨年以上にタフな戦いになりました」と振り返った一力本因坊

第80期本因坊戦五番勝負第5局が7月2日に打たれ、一力遼本因坊が挑戦者の芝野虎丸十段に勝って対戦成績を3勝2敗とし、本因坊位防衛を決めました。

一力本因坊は、第78期本因坊戦で井山裕太王座を11連覇で止めて初めて本因坊となりました。このときは七番勝負でしたが、翌79期からは五番勝負に変更され、今期で3連覇となりました。

芝野十段は今年絶好調。春には井山王座からストレートの3連勝で十段位を奪還するなど好調を維持していました。

最終局で猛追を見せるも及ばなかった芝野十段

これまでのタイトル戦では、一力本因坊は芝野十段を圧倒し1度もタイトルを奪われることはありませんでした。今回の五番勝負も一力2連勝でスタートしましたが、芝野十段が2連勝して最終局に持ち込みました。一力-芝野の挑戦手合いで最終局まで来たのも初めてのことです。

決定局では、最初の大きな戦いで芝野十段が軽視していた一手があり、一力本因坊が大きくリード。芝野十段も猛追しましたが逆転には至らず、2目半差で一力本因坊が勝利しました。「苦しいとは思っていたけれど、後半難しくなりました。でも勝つのは大変。結果は残念です。出来は悪くなかった。来期はトーナメントからですが、挑戦まで行けるようがんばります」と芝野十段の敗戦の弁。

一力-芝野の挑戦手合いでフルセットは初

一力本因坊の記者会見での話は以下の通り。

「芝野さんは今年、とくに調子がよく打ち方のバリエーションも増えていて、昨年以上にタフな戦いになりました。今はうれしさより安堵感が多い。フルセットとなって、あと1勝の大変さを感じました。最終局になったらこれまでの戦いは関係ない。ベストを尽くせるように心がけました。(世界チャンピオンになったので)今までよりその地位にふさわしい碁を打たなければという思いはあります」

8月には世界戦LG杯や名人戦挑戦手合も始まります。重要な対局が増え、ますます忙しくなりますが、ますますの活躍を期待したいと思います。