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一力遼本因坊が三連覇 芝野虎丸十段を3勝2敗で退ける

「昨年以上にタフな戦いになりました」と振り返った一力本因坊

第80期本因坊戦五番勝負第5局が7月2日に打たれ、一力遼本因坊が挑戦者の芝野虎丸十段に勝って対戦成績を3勝2敗とし、本因坊位防衛を決めました。

一力本因坊は、第78期本因坊戦で井山裕太王座を11連覇で止めて初めて本因坊となりました。このときは七番勝負でしたが、翌79期からは五番勝負に変更され、今期で3連覇となりました。

芝野十段は今年絶好調。春には井山王座からストレートの3連勝で十段位を奪還するなど好調を維持していました。

最終局で猛追を見せるも及ばなかった芝野十段

これまでのタイトル戦では、一力本因坊は芝野十段を圧倒し1度もタイトルを奪われることはありませんでした。今回の五番勝負も一力2連勝でスタートしましたが、芝野十段が2連勝して最終局に持ち込みました。一力-芝野の挑戦手合いで最終局まで来たのも初めてのことです。

決定局では、最初の大きな戦いで芝野十段が軽視していた一手があり、一力本因坊が大きくリード。芝野十段も猛追しましたが逆転には至らず、2目半差で一力本因坊が勝利しました。「苦しいとは思っていたけれど、後半難しくなりました。でも勝つのは大変。結果は残念です。出来は悪くなかった。来期はトーナメントからですが、挑戦まで行けるようがんばります」と芝野十段の敗戦の弁。

一力-芝野の挑戦手合いでフルセットは初

一力本因坊の記者会見での話は以下の通り。

「芝野さんは今年、とくに調子がよく打ち方のバリエーションも増えていて、昨年以上にタフな戦いになりました。今はうれしさより安堵感が多い。フルセットとなって、あと1勝の大変さを感じました。最終局になったらこれまでの戦いは関係ない。ベストを尽くせるように心がけました。(世界チャンピオンになったので)今までよりその地位にふさわしい碁を打たなければという思いはあります」

8月には世界戦LG杯や名人戦挑戦手合も始まります。重要な対局が増え、ますます忙しくなりますが、ますますの活躍を期待したいと思います。