
一力遼名人への挑戦権を争う名人戦リーグは、全勝の井山裕太王座と福岡航太朗七段が激突する天王山を迎えました。
井山裕太王座は今年、棋聖戦で一力遼棋聖と戦っている最中から調子を落としてきました。勝っている碁をそのまま矛を収めず、さらに追及するなど自ら勝ち星を逃がすような戦いが散見され、3勝1敗と追い込んでいたのに、棋聖返り咲きを逃しました。棋聖戦が終わると、芝野虎丸九段との十段戦防衛戦に望みましたが、それも三連敗でタイトルを奪われました。対戦成績も10勝11敗と負け越し、プロ入りしてもっとも勝ち星に恵まれない状況。そんな中でも名人リーグは勝ちを維持し、全勝を守っていました。
破竹の勢いで、初リーグを全勝で走り、目下12連勝中の福岡航太朗七段と、井山王座との全勝対決は5月15日に打たれました。

対局前の予想では福岡有利ともいわれていましたが、蓋をあけてみれば序盤で抜け出した井山王座がそのまま勝ちきり、全勝を守り、名人挑戦に大きく前進しました。
残り3戦。「やることはかわりません。ひとつひとつ全力を尽くします」と井山王座。
挑戦権の行方にも目が離せません。