上野愛咲美女流立葵杯が11月29日~12月1日に打たれた世界メジャー棋戦「呉清源杯世界女子囲碁選手権」決勝三番勝負で、中国の唐嘉雯(とう・かぶん)六段を下して世界戦優勝を果たしました。
呉清源(1914~2014)は囲碁史に燦然と輝く碁聖で、日本に帰化して日本で活躍した棋士です。呉清源を記念しての世界戦「呉清源杯」は今回で第8回を数え、日本、中国、韓国、台湾のほか北米(アマチュア)から16名が参加して打たれました。
日本からは上野女流立葵杯のほか、藤沢里菜女流本因坊、上野梨紗女流棋聖の3人が出場。梨紗女流棋聖は2回戦で、藤沢女流本因坊は3回戦で破れました。
上野女流立葵杯は、準決勝で世界タイトルを何度も獲っている中国の於之瑩八段に勝って決勝に進みました。
決勝三番勝負では1局目に勝ったものの、2局目は「ド完敗」(上野女流立葵杯)。
気持ちを入れ替えて第3局に臨み、AI越えの一手を「適当にポンと」放ち、優勢に立ちます。「読み過ぎるとわからなくなっちゃうので、気楽に打った方がいい。打っているときはこんな感じかな、と」。相手が勝負手で上野女流立葵杯の大模様に殴り込んできて、それを全滅させて勝利しました。
上野「まさか優勝できるとは思っていませんでした。2回戦が厳しく、なんとか勝つことができて勢いに乗れました。応援してくださったみなさんに感謝したい」
一力遼棋聖の世界戦優勝に続いて、上野愛咲美女流立葵杯も世界戦優勝を飾り、国際的地位が徐々に上がっている実感があります。2024年は、日本囲碁界の転換期になるのではと思います。