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日本初の団体公式戦「日本女子リーグ」が開幕しました

日本棋院創立100周年の目玉事業、「日本女子囲碁リーグ」が7月27日に開幕しました。

女子リーグはドラフトで選ばれた1チーム4人(出場選手は3人)の5チームによる総当たりで2試合ずつ打って優勝を決めます。

第1ランドが7月27日に打たれました。

まず午前中に、チーム囲碁・将棋チャンネル(監督:鈴木伸二八段)とチームセンコーグループ(監督吉原由香里六段)が対戦しました。

チーム囲碁・将棋チャンネルは藤沢里菜女流本因坊がチームセンコーグループの上野愛咲美女流立葵杯に大逆転負けを喫したものの、星合志保四段が牛栄子四段に勝ち、徐文燕二段も万波奈穂四段に勝って、勝ち星を挙げました。

午後は、チーム名古屋(監督:下島陽平八段)とチーム福岡(監督:鶴山淳志八段)が激突しました。

チーム福岡の柳原咲輝初段がチーム名古屋の高雄茉莉二段に勝ったものの、ベテランの謝依旻七段が加藤千笑三段に、向井千瑛六段が王景怡四段に負けて、チーム名古屋が勝利しました。

第1ラウンド、チーム若鯉(監督:山本賢太郎六段)は手空き。

第2ラウンドは8月17日に、チーム若鯉-チーム福岡、チーム名古屋-チーム囲碁将棋チャンネル(チームセンコーグループは手空き)が打たれます。 YOUTUBE「日本棋院囲碁チャンネル」で解説付き中継もありますので、どうぞご覧下さい。

「能登半島復興支援チャリティー指導碁会」でお手伝いをしてきました

藤澤一就門下とIGOPROのコラボイベント「能登半島復興支援チャリティー指導碁会」が8月3日に東京千代田区の「日本棋院」で行われました。

囲碁ファン141人の参加に、棋士20人、スタッフ30人迎える大きなイベントです。

藤澤一就門下は、関航太郞九段、本木克弥八段、上野愛咲美女流立葵杯・新人王ら若手人気棋士がいます。

また、IGOPROとは、鶴山淳志八段と林漢傑八段の「つるりん」コンビと星合志保四段、安田明夏初段らの囲碁普及を目的とした会社です。

当日は、指導碁会のほか、上野愛咲美女流立葵杯の新刊『読みが鋭くなる上野愛咲美の詰碁』(池田書店)の出版記念サイン&撮影会や、トークショー、上野愛咲美、上野梨紗姉妹による「詰碁早解き対決」「チャリティーオークション」」など盛りだくさんのプログラムで囲碁ファンを楽しませました。司会は、囲碁大使も務める戸島花さん。私もトークショーに出演したり、サイン会のお手伝いをしたり、スタッフとして動いてきました。

また、被災地の石川県の囲碁サロン「シトラス」と結んで、顔の見えるオンライン指導碁も行われました。

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チャリティーオークションでは、故藤沢秀行名誉棋士直筆の色紙や、上野姉妹の色紙や揮毫入り扇子などが出品され、すべて参加者に競り落とされました。

今回、出演した棋士やスタッフはすべてノーギャラで、会場費など必要経費を除いた全ての額が被災地の碁笥を生産する工芸品メーカーなどに送られます。 復興のお役に立てれば幸いです。

アマ名人に夏冰さん 最強アマ・大関稔さん破れる

夏の囲碁はアマチュアの季節。

アマの大会で唯一の挑戦手合制を採用している「朝日アマ囲碁名人戦三番勝負」が7月27・28日に打たれ、アマ名人の大関稔さんを2勝1敗で破って夏冰(か・ひょう)さんが初のアマ名人になりました。

アマ名人の挑戦者になるには、7月6、7日に日本棋院東京本院2階大ホールにて行われた「朝日アマ名人戦全国大会で優勝」しなければなりません。

全国の予選を勝ち抜いた都道府県代表と、ここ5年の入賞歴のポイント上位者、さらに学生、女性代表の招待選手を加えた57人が参加する大会で、夏冰さんは昨年に続いて連覇を果たします。

トーナメントで1回も負けないのは大変なこと。苦しい碁の連続だったようですが、見事勝ち上がります

夏冰さんは京都囲碁道場で師範を務める囲碁インストラクターです。

小学生名人、中学生名人となるなど子どもの頃から活躍していましたが、一般の大会ではアマ本因坊ベスト4が最高だったところ、アマ名人戦で一気に開花しました。

大関稔さんはプロを目指して修行していましたが、断念しアマに。専修大学在学中から頭角を現し、大学のタイトルだけでなく、アマタイトルも総なめにし、最強アマと呼ばれるようになりました。

今年の世界アマチュア選手権では、点数差で僅かに届かず惜しい3位でした。

アマ名人戦はここまで4連覇。5連覇をかけて挑戦手合に臨みました。

アマ名人戦三番勝負は、日本棋院でも最高級の対局場「幽玄の間」で打たれます。

第1局は、局部戦でリードを奪った大関さんがそのまま勝ちに結びつけました。

第2局は激戦となり、夏冰さんの弱い石がふたつになってどちらが死んでもおかしくない状況のなか、両方しのぎきって大逆転で勝利。タイトルの行方は第3局に持ち越されました。

第3局は、大関さんがリードしたものの、じりじりと夏冰さんが差を詰める展開になりました。微細で、形勢が目まぐるしく入れ替わる状況のなか、最後、手筋一閑で勝ちがあったのに大関さんが逃し、夏冰さん勝利。終わったあと、しばらく大関さんは茫然自失でした。

見応えのある戦いは、Youtubeチャンネル「朝日囲碁将棋TV」などインターネットで生中継されています。

ぜひ、ご覧いただければと思います。

「囲碁界で一番熱い日」名人戦リーグ最終一斉対局 挑戦者は一力遼棋聖に決定

芝野虎丸名人への挑戦者を決める名人戦リーグ最終一斉対局が7月22日に打たれ、一力遼棋聖が8戦全勝で挑戦権を獲得しました。

名人戦リーグは9人(昨年の挑戦者・井山裕太王座、一力棋聖、余正麒八段、許家元八段、山下敬吾九段、張栩九段、関航太郞九段、志田達哉八段、富士田明彦七段)総当たりで、昨年12月からスタートして全8ラウンドを戦います。

一力棋聖は6月に余正麒八段との全勝対決に勝って勢いに乗り、最終戦でも富士田明彦七段を下して、全勝で挑戦権を得ました。

去年は井山裕太王座とのプレーオフに負けて挑戦者を逃していましたので、リベンジする気持ちは格別だったでしょう。

現在、棋聖と本因坊、天元の三冠を保持している一力棋聖。ここで名人をも獲得すると囲碁界ナンバーワンの地位がより確実なものになります。その第一歩として「3年ぶりに名人戦に出られて、ほっとしています。チャレンジ精神で精一杯やっていきたい」と笑顔を見せました。

名人戦リーグは「黄金の椅子」と呼ばれています。

リーグや挑戦手合に臨むには、トーナメント戦で勝ち抜かなければなりません。トーナメントはご存じのとおり、負ければ終わり。1回戦負けなら1局しか打てません。

しかし勝ち抜いてリーグ戦に入れば、勝っても負けても(名人リーグなら)8局は打てます。

全敗してもサラリーマンの平均年収より対局料がもらえるということで、1年生活が安泰。全棋士が目指す「黄金の椅子」の所以です。

名人戦リーグは毎年4人が入れ替わります。リーグ残留している棋士以外がトーナメントで4つの椅子めがけて争います。

リーグ残留はひとつの目標ですが、今期はリーグに入ったばかりの4人、張栩九段、関航太郞九段、志田達哉八段、富士田明彦七段が無念のリーグ落ちとなりました。

この4人は最終予選のトーナメントからリーグ入りを目指すことになります。 芝野虎丸名人と一力遼棋聖の名人戦七番勝負は8月27日、芝野名人の出身地・神奈川県相模原市「杜のホールはしもと」で開幕します。

日本棋院創立100周年記念式典・祝賀会

日本棋院創立100周年記念式典が7月17日に東京都港区「ホテル・オークラ」にて多くの囲碁ファンや関係者に囲まれて盛大に行われました。

新しく理事長に就任した武宮陽光六段は「皆様に支えられて100周年を迎えることができありがたく思っています。新たな100年に向けて山積している問題をいい方向に向かえるよう努力する所存」と挨拶。祝賀会では日本サッカー協会相談役の川淵三郎氏や日本将棋連盟会長の羽生善治九段らが祝辞を述べました。

日本サッカー協会 相談役 川淵三郎氏
日本サッカー協会 相談役 川淵三郎氏

川淵三郎氏は「プロの選手で女子が対等に戦える唯一の競技」として囲碁の貴重性と重要性を語りました。

日本将棋連盟 会長 羽生善治氏

同じ100周年を迎えた日本将棋連盟会長の羽生善治九段は「江戸時代からの長いおつきあいの囲碁将棋界。海外でもマインドスポーツとして親しまれているし、日本では伝統文化として続く囲碁界はユニークな存在で、今後の可能性も感じます。AIが発展してもかわらないものとして残っていくでしょう」と話し、「末永くおつきあいを」と占めました。

王座・碁聖・井山裕太十段

囲碁棋士代表で挨拶に立った井山裕太王座は「変化の絶えない時代のなか、受け継がれた過去を大切にしつつ、柔軟に対応していくのが大事。皆で知恵をだしあって少しでもいい方向へ」と、未来へ目を向けました。

日本棋院顧問石田芳夫二十四世本因坊は中締めで、世界戦の応氏杯で決勝進出が決まった一力遼棋聖を壇上に上げるハプニングがありました。「自分自身初めての舞台で、ここからが厳しい戦いです。決勝五番勝負(8月上旬~)の応援よろしくお願いします」と一力棋聖は力尽く決意を語って大きな拍手を浴びました。