将棋の藤井聡太七冠が食べたおやつが流行ったり、「勝負メシ」が話題になったりしますが、囲碁界も負けてはいません、というか同じように食事をしたりおやつを食べたりするのですが、なかなか大きな話題にはなりません。
今回は挑戦手合、9月17、18日にあった名人戦第3局の「食」をご紹介しましょう。
2日制の挑戦手合では、一行は3泊4日の日程を組みます。
到着したその晩と対局が終了した晩の食事は対局者と一緒ですが、そのほかは対局者はそれぞれ自室で過ごすことになります。
対局中の昼食、おやつは、対局者は事前アンケートで好きなものを選んで注文します。
旅館やホテルの特別料理が出されることが多く、豪華なメニューが見受けられます。
たとえば今回は、天丼のエビが伊勢エビであることや、牛丼の肉も松阪牛をつかっていました。
囲碁棋士は麺類など軽めのものを好む傾向があります。井山裕太王座は海鮮がお好きで、海鮮丼やお寿司、海鮮パスタなどを選んでいました。
芝野虎丸名人は丼物、一力棋聖は寿司やそばなど和食がお好みのようです。
ちなみに将棋棋士のほうがガッツリ系のかたが多いそうで、うな重やカツ丼などを注文するそうです。
おやつも注文したものが午後3時に運ばれ、盤側に置かれます。すぐ食べるのか、それともしばらく手をつけないのか。完食するのか残すのか、そんな様子からも、対局者が形勢をどう見ているかも判断したりします。
芝野名人は、甘いケーキにフルーツジュースをあわせる甘党ですが、今回は、紅茶を選びましたね。
一力棋聖は育ちの良さが食事にも表れていて、出されたものはきれいに平らげます。それはいつでもです。そうしているのに、ダイエットにも成功するなんて、体調管理にも余念がないのですね。
食からも、対局者の様子をうかがうのも、我々ライターの生業です。