世界戦で着々と成果 井山裕太王座、上野愛咲美新人王そして一力遼棋聖

20世紀までは日本が世界ナンバーワンの地位でしたが、ここ最近は中国韓国の後塵を拝する状況でした。日本勢としては2005年、張栩九段がLG杯で優勝したのが最後で、20年近く歓喜の瞬間から遠ざかっています。

4月末から国際棋戦が次々開催されていますが、日本選手がいい感じなのです。

まず、上野愛咲美新人王が、爛柯杯2回戦でLG杯優勝経験のある謝爾豪九段(中国)に勝ってベスト8入りしたのが特筆されます。その前にも応氏杯で世界ナンバーワンを何度も獲得している朴廷桓九段(韓国)に終局数手前まで勝ちだったところからギアを上げているようです。

さらに、上野新人王は日中韓のトップ8人が総当たりのリーグ戦で競う黄竜士杯で準優勝となりました。最終日までトップで走っていただけに、準優勝という結果に、「よくやった」よりも「惜しい」「残念」という声が多かったのです。

昨年末に打たれた呉清源杯で、藤沢里菜女流本因坊が準優勝したときにも、あと一歩、という感じを受けた人が多かったので、女子はとくに世界チャンピオンに向かって着実に実力を上げています。優勝は時間の問題ではないでしょうか。

上野新人王がベスト8で破れた爛柯杯で、井山裕太王座が久しぶりにベスト4に入りました。それまで不調で、井山さん本人も代表入り辞退を考えるほどだったのですが、堂々の復活です。

そしてそして、一力遼棋聖が応氏杯準決勝で、あの、囲碁AIのアルファ碁と戦った柯潔九段(中国)を2勝1敗で破り、決勝進出を果たしました。

謝科九段(中国)との決勝戦は9~10月頃打たれるとのこと。 応氏杯は囲碁界最高の賞金で40万ドル(約6300万円)ということもあり、注目度も極めて高い。皆さんもぜひ応援していただきたいと思います。