皆様、初めまして。囲碁観戦記者・囲碁ライターをやっております内藤由起子と申します。
このたびご縁がありまして、桜ゴルフ様のホームページに軒先を貸していただき、囲碁の世界についてのブログを書かせていただくことになりました。
どうぞよろしくお願いいたします。
佐川八重子社長は、囲碁愛好家で囲碁界に尽力していただいている存在としても有名なおひとり。私が学生のころに囲碁インストラクターの仕事をしていた30数年前からお目をかけていただいていました。私が囲碁ライターになってからも、気に掛けていただき、このたび、囲碁の魅力をお伝えする場をいただけることになりました。
◆◆ ◇◇ ◆◆ ◇◇ ◆◆
さて、最近の囲碁界、大きな話題はなんといっても草彅剛主演映画『碁盤斬り』です。5月17日に封切られました。
脚本家の加藤正人さんが大の囲碁好きで、囲碁の映画を作りたいという熱意に、白石和彌監督がこたえ、実現した時代劇。物語の根底には囲碁があり、囲碁が人との絆、関係性を表していきます。
将棋界に押されている囲碁界にとって、囲碁ブームを起こす千載一遇のチャンスでしょう。
囲碁棋士も協力、出演しています。
俳優さんたちが打つ碁などは高尾紳路九段が監修。岩丸平七段は、現場にべた張りし、監督の隣で囲碁シーンを監修しました。
出演棋士は、国民栄誉賞を受賞した井山裕太王座、藤沢里菜女流本因坊ら5人。
白石監督、加藤さん、高尾九段、岩丸七段の4人で飲んでいるときに、「井山さんも誘っちゃう?」みたいな話になり、高尾九段が直接連絡すると、井山王座は「めったにない体験」と、その場で出演を快諾したそう。
井山王座は若旦那風のきちんとした着物をきて、今でいうところの高級囲碁サロンで碁を打つシーンに出演しています。井山さんは眼鏡を外し、マゲを結っているので、一見分かりづらいのですが、隠しきれないオーラが出ています。
そして井山さんと言えば、なんといっても手つきが上品で華麗。
それを見た草彅剛さんが、井山さんの手つきに惚れ込み、動画に撮って練習。あるときから手つきが「井山流」になりました。
一方、藤沢里菜女流本因坊が出演できる日程のシーンは外ロケで、藤沢さんは貧しい町娘役になりました。京都から顔や手足、衣装もだいぶ汚されたとのこと。そしてその場で急に台詞をいうように言われ、藤沢さんは一気に緊張したそう。台詞があった棋士は藤沢さんだけですので、藤沢さんの声に覚えがあるかたは、すぐ分かるのではないでしょうか。
囲碁は平安時代から男性はもちろん、女性にも打たれてきた歴史があります。そうした背景をしっかり表現し、女性の打ち手も多く出演していました。 エンターテイメントとしてもとても面白いので、ぜひ映画『碁盤斬り』をご覧ください!