8月末からの名人戦開幕は碁界の秋の陣。名人戦と重なるスケジュールで天元戦、王座戦が続々と始まります。
芝野虎丸名人に一力遼棋聖が挑戦する名人戦の第1局が8月27、28日に打たれて、一力棋聖が完勝の内容で制しました。一力棋聖のあまりの調子の良さに、これはこのまま……?と思っていたら、8月30日に王座戦挑戦者決定戦が芝野名人vs一力棋聖で打たれ、芝野名人が勝って、井山裕太王座への挑戦権をつかみました。
さらにその3日後の9月2日に、芝野名人は許家元九段を下して、天元戦の挑戦者にも名乗りを挙げました。天元のタイトルホルダーは一力遼天元です。
その結果……
名人戦 芝野虎丸名人-一力遼挑戦者
天元戦 一力遼天元-芝野虎丸挑戦者
王座戦 井山裕太王座-芝野虎丸挑戦者
となり、芝野名人にとっては超多忙なスケジュールのなかでタイトル戦を打つことになりました。
名人戦が始まる前に6月末から7月にかけて打たれた碁聖戦も井山裕太碁聖-芝野虎丸挑戦者(3連勝のストレートで井山碁聖が防衛)の組み合わせでしたので、現在の囲碁界はこの3人中心でまわっているということですね。
名人戦第1局で不調かと思われた芝野名人ですが、この1週間の内容を見ても決してそんなことはないと実感しました。そして9月4、5日には名人戦第2局が打たれ、難戦を一力棋聖が制し、2連勝としました。
一力棋聖は第2局宮崎辛き超した翌日に中国に飛び、応氏杯決勝5番勝負の第3局~に挑みます。
強い棋士の宿命とはいえ、皆ハードスケジュールとなります。体調だけは気をつけていただいて、悔いのない戦いをしていただきたいと思います。