一力遼名人が初防衛を果たす 第50期名人戦 芝野虎丸十段は返り咲きならず

七冠同時制覇なるか

一力遼名人に芝野虎丸十段が挑戦する第50期名人戦七番勝負第6局が10月14,15日に愛知県田原市「角上楼」にて打たれ、一力名人が中押し勝ちを収めました。これで対戦成績を4勝2敗とし、名人初防衛を果たしました。

芝野十段は地合いで勝負する道があったが…

 第6局は芝野十段が築いた大模様に一力名人が突入し、生死をかけた読み合いとなりました。一力名人の石を取れそうにないと思った芝野十段があきらめてしまったのが敗着となりました。実は生きられても地合いで勝負する道があったのですが、「人間的にはそう思うのは難しい」と解説の伊田篤史九段。

 一力名人はこれで挑戦手合い8連勝と無双の状況です。

鶴巻温泉での王座戦に向かった

翌9日は朝8時半から「一夜明けて」のインタビューを受けて、宿をあとにしました。実は一力名人だけは帰るのではなく、豊橋駅からこだまに乗って小田原乗り換えし、17日から鶴巻温泉「陣屋」で開幕する王座戦に向かったのでした。碁界の第一人者の地位を守った一力名人。目指すは井山裕太王座しか成し遂げたことのない七冠同時制覇です。