夏の囲碁はアマチュアの季節。
アマの大会で唯一の挑戦手合制を採用している「朝日アマ囲碁名人戦三番勝負」が7月27・28日に打たれ、アマ名人の大関稔さんを2勝1敗で破って夏冰(か・ひょう)さんが初のアマ名人になりました。
アマ名人の挑戦者になるには、7月6、7日に日本棋院東京本院2階大ホールにて行われた「朝日アマ名人戦全国大会で優勝」しなければなりません。
全国の予選を勝ち抜いた都道府県代表と、ここ5年の入賞歴のポイント上位者、さらに学生、女性代表の招待選手を加えた57人が参加する大会で、夏冰さんは昨年に続いて連覇を果たします。
トーナメントで1回も負けないのは大変なこと。苦しい碁の連続だったようですが、見事勝ち上がります
夏冰さんは京都囲碁道場で師範を務める囲碁インストラクターです。
小学生名人、中学生名人となるなど子どもの頃から活躍していましたが、一般の大会ではアマ本因坊ベスト4が最高だったところ、アマ名人戦で一気に開花しました。
大関稔さんはプロを目指して修行していましたが、断念しアマに。専修大学在学中から頭角を現し、大学のタイトルだけでなく、アマタイトルも総なめにし、最強アマと呼ばれるようになりました。
今年の世界アマチュア選手権では、点数差で僅かに届かず惜しい3位でした。
アマ名人戦はここまで4連覇。5連覇をかけて挑戦手合に臨みました。
アマ名人戦三番勝負は、日本棋院でも最高級の対局場「幽玄の間」で打たれます。
第1局は、局部戦でリードを奪った大関さんがそのまま勝ちに結びつけました。
第2局は激戦となり、夏冰さんの弱い石がふたつになってどちらが死んでもおかしくない状況のなか、両方しのぎきって大逆転で勝利。タイトルの行方は第3局に持ち越されました。
第3局は、大関さんがリードしたものの、じりじりと夏冰さんが差を詰める展開になりました。微細で、形勢が目まぐるしく入れ替わる状況のなか、最後、手筋一閑で勝ちがあったのに大関さんが逃し、夏冰さん勝利。終わったあと、しばらく大関さんは茫然自失でした。
見応えのある戦いは、Youtubeチャンネル「朝日囲碁将棋TV」などインターネットで生中継されています。
ぜひ、ご覧いただければと思います。